愛岐トンネル群特別公開 バーチャル体験記 2018年春版
春野家の家族と一緒に「春の特別公開」をバーチャル体験しよう!
●入口ゲート
鉄道好きのボクとしては行きたくてしょうがなかった愛岐トンネル群。春のGWの一日に、やっと行けることになった。でもパパは仕事でダメで、ママとお姉ちゃん、それにカメラマン役のじーじの4人だ。
JR中央線の定光寺駅では、びっくりするほど大勢の人が降りた。みんな同じ方向へ歩いていく。
愛岐トンネル群に行くのだ。
用水沿いの道を300メートルほどで、行列のうしろに着いた。入口には階段があった。
かなり急な階段で、じーじはふうふう言っていた。ボク平気だったけどね!
※この入口の階段は2018年夏に改良されて、楽に上がれるようになりました。
●階段を上がると、受付があった
階段を上がると受付。おそろいのベストを着たスタッフのおじさんがニコニコと待ち構えていた。ここで入場料を払う。 ボクは小学生なので無料。ママと中1のお姉ちゃんたちは100円だった。掲示板にはいろいろな案内や注意が掲示されていた。
ここで【僕のプロフィール】春野とん太 小5。鉄道大好き。大きくなったらリニア新幹線の運転士になるんだ。 時々ママにべったりしたくなる甘えん坊。パパもじーじもばーばのことも大好き。
●3号トンネルには実物大D51の大幕が!!
受付のすぐ奥に赤レンガのトンネルがあった。3号トンネルだ。120年近く前の明治の時代に作られたんだって。 すごいなあ!
トンネルの入り口には、D51のイラストが染め抜かれた幕が天井から吊り下げられている。「実物大なんだよ」って スタッフの人が教えてくれた。会員の奥さんの手作りの力作らしい。人間の大きさと比べると、D51がどれだけ 大きいか、よくわかるよね。
●3号トンネルには登録文化財のプレート
トンネルの入り口には「登録有形文化財」というプレートが取り付けてあったよ。貴重な遺産なんだね。
D51のスクリーンをくぐって3号トンネルの中に入る。入ってすぐ後ろを振り向くと、スクリーンを通してモミジの若葉が透けて見えて、
とても印象的だったよ。
中は暗かった。 でも この暗さがあるからトンネルなのだ。 ボクは持ってきた懐中電灯をつけて歩いた。 控えめだけど明かりもついていて、懐中電灯がなくてもこまるほどじゃないと思う。
●昔の人の落とし物?「廃線の残存物」
3号トンネルを出ると左側に「落石防護柵」というのが立ち並んでいた。崖からの落石で列車が通れなくなるのを 防ぐためらしい。柱には明治の時代の古いレールが使われているそうだ。百年くらい前のレールが今でも役に立っているんだね。
途中に「廃線の残存物」という展示パネルがあった。会の人が整備の時に見つけたガイシや犬釘、金具、工具類など・・・。 昔の人の落とし物、忘れものなんだね。
●竹林には遊べることがいくつか!
残存物パネルから少しで、竹のたくさん生えているところに到着。「竹林」というんだって。ボク、はじめて見た。
ここには楽しいことがふたつ待っていた。 ひとつめは竹のワークショップだ。ここで「ガリガリトンボ」というのを作った。会員のおじさんが教えてくれて、すぐ作れた。 ガリガリとやると、プロペラが右回転、左回転、好きな方に回る。このトンボ、不思議で楽しい。持ち帰れるんだよ。
ふたつめは、高い竹に取りつけてある手作りの遊具。ヒモを互い違いに引くと、アンパンマンやどらえもんが登っていく。 5メートルくらい高く登る。これも不思議だ。ボクもお姉ちゃんも遊んだよ。ちっさい子も夢中で遊んでいた。 こどもが退屈しないように考えてくれているのかな。
●竹林は子どもも大人も楽しめるところだった♪
最初の写真の人は、毎日この竹林で横笛の音色を聞かせてくれているという。やさしい音だった。 他のグループのコンサートもやっていたよ。
そうそう。竹林の中の東屋(あずまや)というところでは、いろり端でお茶(抹茶)を出してくれるんだって。
そんな訳で、この竹林、大人も楽しめるかも。でも、ゆっくりはしていられない。竹林の橋を渡って次に向かう。
※呈茶は有料です。おいしい和菓子つき。営業していない日もあります。
●4号トンネルでびっくりサプライズ!
竹林から少し歩くとトンネルがあった。4号トンネルだ。
1枚目の写真は中から振り返ったところ。真ん中に立っている木は、1966年に廃線になってから生えたんだって。
2枚目は、出口あたりから前を見た写真。緑がいっぱいでまぶしい。
あ、書き忘れちゃいけない。このトンネルでサプライズ!があった。SLが走ってきたんだ。ーーーいや、ほんとはちがうんだけど・・・。 ネタバレになるので、これ以上書かないよ。ボク、けっこう驚いた。会の人って、お客さんを驚かして楽しんでいるにちがいない。
●大モミジの広場では こころまで青く染まりそう
4号トンネルを出ると、モミジの大木があった。愛知県で一番大きい(かもしれない)巨木なんだって。素晴らしい枝ぶり。 青々とした葉っぱに、心の中まで青く染まりそう(ボク、詩人かも)。
このモミジ、見る位置で幹の本数が違って見えるという。ほんとだ。3本にも4本にも、5本にも見える。 それで会の人たち「三四五の大モミジ」と名をつけて、シンボルツリーとして大事にしているそうだ。
ここにはベンチや縁台がいくつか置いてあって、のんびりしている人が多かった。下には庄内川というか玉野川が ゆったり流れていて、気持ちのよいところだった。
●水車前駅には水車と鐘(カネ)、ゴリラ岩も
大モミジから気持ちのよい道を少し歩くと、橋があって、左下に水車が見えた。会員さんの手作りの大きい水車だ。 奥から引いた沢の水でゆっくり回っていた。
小さいけど広場があって、「水車前駅」の駅名看板が立っている。廃線跡地なのに駅があるとは、面白いね。 たたいてよい鐘(カネ)があった。もちろん、ボクもたたいたよ。
カネの奥には、背たけほどの岩。その名も「ゴリラ岩」。ほんとだ。東山動物園のイケメンゴリラ「シャバーニくん」に見えたよ! この岩は、藪(やぶ)をきれいにしたら出てきたんだって。自然て、ふしぎだね。
●ブランコと木琴竹琴
水車からマルシェに向かって歩くと、あ、ブランコだ~。木琴や竹琴もあったよ。こういうの見るとすぐやりたくなるのが ボクの悪いクセ、じゃない、 いいところ(笑)。ひさしぶりにブランコで遊んだ。
会の人たち、竹林でもそうだけど、 お金をかけないで子どもたちを楽しませようとしているみたい。でも、その気持ち、ちょっとうれしい。
しかし、この道にレールが敷かれていて、D51などのSLが走っていたんだね。信じられない気持ち。 じーじは昔、ここを走るSLの列車に何度も乗ったという。ボクも乗りたかったな。
●マルシェではたくさんの鯉のぼりが泳いでた!
マルシェに到着。鯉のぼりが空いっぱい泳いでた。びっくりした。鯉のぼりを見るとうれしくなる。なんでかな? この鯉のぼりは、市民の皆さんから寄付してもらったものなんだって。
マルシェではお弁当、グッズ、和菓子やおこわ、ビール他の飲み物、などのお店が出ていた。ボクたちは山菜おこわ、じーじは「なんとか弁当」を買ってベンチで食べたよ。 おいしかった~。
トンネルの会のお店もあって、会員さんが店員さんやってた。ボクは絵ハガキと缶バッジを買ってもらった。 「汽車どびん」というのも売ってた。お年寄りの人によく売れるんだって。じーじが「わあ、懐かしい」って言ってたよ。
●レンガ広場はコンサート広場!
3つめのトンネル、長さ99mの5号トンネルを抜けると、気持ちのいいところに出た。レンガ広場というところで、コンサートをやってた。今回の「春の公開」ではこの「トンネルコンサート」を毎日開催しているんだって。童謡唱歌からポピュラー・フォークソング、 フォルクローレからアルプホルン、馬頭琴までいろいろ。毎日来ても、きっと飽きないよね。
ところで、レンガのトンネルってひとつひとつの顔、というか入り口出口のデザインが少しづつ違うんだね。坑門(こうもん)と 言うらしい。それぞれが美しい。ボク、赤レンガのトンネルのファンになっちゃったよ。100年以上前のトンネルがそのまま残って いるのがスゴイと思う。それに、トラックもない時代で、トンネル作るのって、どんなに大変だったんだろう。感心するというか、アタマが下がるというか・・・。
●レンガ広場には遊べるSL動輪もあった
レンガ広場にはSLの動輪もあった。ライオンズクラブの記念碑と説明に書いてあったけど、自転車をこいで動輪を回して遊べるのだ。
順番待ちして、やっと乗れた。少し重かったけど、1回転、回したよ。C57というSLの動輪で、直径1.7m、重さは3トン近いのだとか。ここまでどう
やって運んだんだろう。
まだ遊びたいけど、次に向かうことになった。
レンガ広場の中ほどに、鏡(カガミ)が乗ってるやぐらがあった(写真3枚目)。太陽光を6号トンネルの中のスクリーンに「自動追尾」 とかいうので反射させて映す装置らしい。トンネル内の明かりをとるためだって。これも会の人の手作り。すごいね。
トンネルの入り口手前右側には、レンガの説明パネルがあった。ゆっくり見て説明も聞きたいけど、ざんねん・・・。
●暗くて長い6号トンネル!
6号トンネルは長かった。333m。それに暗い。でも入り口から50mくらい入った天井にスクリーンがあって、ぼんやりと まわりが照らされている。前にも書いたけど、太陽自動追尾装置というので太陽光を当てているんだって。おもしろそう!
足元はグリグリの石だらけで、歩きにくいけど、壁際の地面には小さなLEDが点々とついていて、助かる。
懐中電灯で照らしながら頑張って歩いて、やっとトンネルを抜け出た。外の明るさがまぶしい。そこは県境駅というところだった。 下には小さな谷川が流れていて、現在はここで行き止まり。その先は岐阜県で、「会としては古虎渓駅まで歩いて行けるようにしたい」 と案内のおじさんが言っていた。早くそうなるといいね。
さて、ここでUターン。ここからの周遊コースはないので、 来た6号トンネルを戻るよ。
●案内の人に教えられてモミジ山へ
6号トンネルをレンガ広場まで戻った(写真1枚目)。楽しそうなコンサートをやっていたのを横目に、すぐ左の石段を上ると、 「玉野古道」の案内看板があった。会の案内の人がいて「モミジ山」をすすめてくれた。石段を上って振り返ると、足元にはレンガ広場の 全景が見えた。ステージを楽しむお客さんがいっぱい・・・。
「モミジ山は左」の看板はすぐにあった。そこからモミジ山の遊歩道(というのかな)の始まりだ。トンネルの廃線路と違い、ここは 森の中。コンサートの音も届かない。気持ちのよい山道だったよ。
●モミジ山はほんとにモミジの森だった
ジグザグの道を上り切ったら、ゆったりした道になった。見上げると新緑のモミジ、モミジ、もみじ・・・。ボク、思わず深呼吸を しちゃった。秋の紅葉もきれいだろうな。
上の方の平らな道が終わると、右のほうへジグザグで降りる。途中にベンチがあったので、みんなでひと休みした。下に玉野川が見えて、 気持ちがよかったよ。
下へ降りると遊歩道終わりの看板があった。左に行けば、ピクニック河原と玉野古道。右でレンガ広場に戻る。じーじがちょっと疲れた ようなので、ボクたちはレンガ広場に戻ることにした。戻る途中には「山オヤジ」と呼ばれているエノキの大木があった。 幹が太くて、根っこがすごいのに驚いた。「板根」というらしい。パワーを感じてしまった。レンガ広場はすぐだった。
●5号トンネルから、玉野古道で暗渠(あんきょ)を見て帰る
さあ、帰り道だ。ボクたちはレンガ広場から5号トンネルをマルシェまで戻り、5号トンネル入り口から下の道に下りた。 この道は明治時代の街道跡で、玉野古道というのだそうだ。
古道を少し歩くと登録有形文化財の暗渠(あんきょ)というのがあった。昔の排水路なんだって。なんでもチャレンジのボクたち、
中まで入ったのはいうまでもない。レンガが痛んでいなくてきれいで、とても昔のものとは思えいほど。
そこから玉野古道を歩き、水車を横目で見て、大モミジの近くで廃線敷きに上がった。竹林で橋の下に降りて、定光寺駅に
通じる出口に向かった。
●最後にブランコ広場でターザンブランコと平均台で遊ぶ
これで定光寺駅へ帰るのかなと思っていたら、最後にまた楽しいことが待っていた。ターザンブランコと平均台だ。
このターザンブランコってのがすごい。竹で組んだ三脚からロープが吊るされていて、じつに大きく、ゆったりと揺れる。 丸く揺らすこともできる。こんなブランコ、見たことない。お姉ちゃんとボク、行列して待って乗ったよ。
平均台も楽しかった。単純な遊びだけど、なかなかクリアできない。特に丸太のところ。ママが「閉門の時間だよ」というんだけど、 何回もチャレンジしちゃった。
【ボクの感想】初めての愛岐トンネル群は中身が濃かった。ボク、大満足。トンネルの会の人たちの、おとなも子どもも楽しく過ごせるように考えてくれているのが うれしい。ぜったい秋にも来たくなった。その時はパパも一緒だよ。ね、パパ!! 生ビール飲んでもいいからね。
※編集者からのお断り:この記事は2017春版を再構成し、ターザンブランコの動画を追加してまとめたものです。また、ブランコの動画は2018年秋に撮影したものを使用しました。ご承知ください。